活動報告
学会参加報告 International Human Science Research Conference
国際学会「The 41st Annual International Human Science Research Conference (IHSRC) on June 9-13, 2024」へ派遣しました。
発表内容はこちらからダウンロードいただけます。
アメリカはニューヨーク州郊外にあるモロイ大学(Molloy University)で行われたInternational Human Science Research Conferenceという学会で,研究発表をしてきました。
初めて訪れたアメリカの大学は想像以上の爽やかさ,きれいさでした…! 大学へ向かうメトロやバスの中はどことなく雑然とした雰囲気で,乗っている人の雰囲気もさまざまでしたが,大学周辺は芝生がよく整えられたきれいな住宅街。どの家もどうやってこんなにきれいに芝生を保ってるんだろう…と不思議になるくらい。なんとなく昔見た「アメリカン・ビューティー」という映画を思い出しました(かなりブラックな映画だった気もしますが…)。
International Human Science Research Conferenceとは、心理や看護など対人援助分野の質的研究者が集う学会です。Graciousな(親切で心のこもった,慈悲深い)空間をつくるという大会テーマが示す通り,みなさん話を聞く時の態度も体全体から関心が伝わってくるような感じがあり,真摯さを感じました。
飛行機のスケジュールの都合上,学会プログラム開始後の参加となり,ガラガラとトランクをひいて発表の途中から教室に入った私。みなさんの視線を感じ申し訳ない気持ちでしたが,「今来たの?ようこそ!」「トランク預けられるよ!」「長旅大変だったでしょう」と,とても温かく親切に声をかけていただき感激しました。 海外の食事が口に合うんだろうか…と不安だったランチでしたが,美味しいパスタやサンドウィッチをご用意いただけ(クッキーは人生で一番甘かった),これまたありがたかったです。
私の発表テーマは,「異性愛者である心理支援者は同性愛者に対し自己をどのように位置づけるか」というもの。 実は、能智プロジェクトで中心的な活動である「心理支援」においては、支援者が意図せずとも時に何気なく軽視や侮蔑のメッセージをマイノリティの方に伝えてしまう,「マイクロアグレッション」の有害さが指摘されています。そんな中で異性愛者の支援者は,どのように同性愛者-異性愛者間の差異と付き合っていけるのか? そんな内容です。
なんとか発表を終えると,いくらかディスカッションすることができました。他国の方の支援者としての体験もシェアしていただき,支援者の臨床歴や支援に対する自信といった要因も差異との向き合い方に影響してくるよな…などと改めて考察を深めることができました。
国際コミュニケーションには不慣れな私ですが,大会中は色々な国の方に話しかけていただきました。 特に台湾からの参加者の方とは,お互いの国の「結婚」にまつわる社会的風潮の話など,大いに盛り上がりました。いただいた甘さ控えめの台湾のお菓子はなんだか懐かしい味で,遠いアメリカの地でやけに美味しく感じられたものでした…!
おかげさまで充実した経験になりました!
太齋 慧(だざい・けい) 東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 臨床心理学コース博士課程在席。能智プロジェクトでは、能智先生ご指導のもと心理支援グループ所属の協力研究員として、「セクシャル・マイノリティ相談指導」を中心に教員の皆様の相談に対応しています。太齊先生に相談なさりたいかたは、お問い合わせからお申し込みください(その他を選択し、「その他」に「太齊先生のカウンセリングを希望」と記載ください)