応援メッセージ

誰もが いつまでも
happy work が可能な
バーチャル空間構築

研究代表 筑波大学 原田悦子 教授

 第3期SIP「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」で同じC-1群に所属するプロジェクト「誰もが いつまでもhappy work が可能なバーチャル空間構築」の研究代表を務めております。私たちのプロジェクトでは、相対的に健康な高齢者の方々が、その時々の状態に合わせながら、いつまでも「自分らしく過ごすための」well-beingな形でお仕事が続けられるような社会・組織をどのようにして構築していくのか、それを実現していくために情報技術で、どのように身体リアル空間と情報virtual空間を融合させていけばよいのかを追究していきたいと考えております。

 能智プロジェクトは、多様な場所で働いてらっしゃる教員の皆様が、相互に知恵や知見を持ち寄って、各々の仕事をより良いものにしていくためのコミュニティづくりを目指していらっしゃるように思えます。その目指す姿はまさに「いつまでもhappyに働ける」場の創出であるように思われ、「思いは同じ!」と思っております。お隣プロジェクトになれて光栄です。お互いの研究がどこかで重なってよりよい果実がさらに生まれてくることを期待しております! 

原田先生のご研究がわかる!「みんなの使いやすさラボ」は下記からどうぞ https://tsukaiyasusa.jp/index

プロジェクトの充実と
さらなる拡大に期待!

福知山市市長公室大学政策課 教育連携顧問 坂根文伸

地方の現状
 昨今、地方では校種を問わず教員不足が深刻な問題となっています。例えば教員が産休や育休や病休等で休職されると、現場はその教員の代替となる講師捜しに東奔西走します。見つかれば良いのですが、どうしても見つからない場合は必然的に現場の教員に加重負担となってのしかかります。そして一層の疲弊を招き、教員のさらなる休職に繋がるという負のスパイラルの現状があります。

 教員の人材確保が大変な状況の中で、増加していると言われている特別支援を必要とする児童生徒に対応することは二重三重の教員の負担と疲弊を招きかねません。そして結果的にその皺寄せは児童生徒に向かうことにもなります。

教員(学校)の負担軽減の大きな一助
 このような状況であるが故に本プロジェクトには大いに期待します。既に、多くの学校ではスクールカウンセラー(SC)が導入されており、各校では養護教諭と特別支援教育コーディネーターがSCのアドバイスを受けながら教育相談等の会議を開いて対応しています。しかし、そのSCもほとんどの学校では常勤ではなく、月に2日程度の勤務です。
 そこで、もしオンライン(バーチャル)による教育相談が実現するのなら、それはまさに教員の「駆け込み寺」的存在となって負担を軽減する大きな一助となるのではないでしょうか。
 もっとも、現在どこの学校でも既にある程度の組織体制は確立されているので、今回のプロジェクトは学校全体が認めたセカンドオピニオン的存在であっても良いと思っています。そもそも地方ではセカンドオピニオンとしての意見を聞こうにも、相談する人も施設も限られているのが実情です。従ってどうしても必要な場合は時間と労力と経費をかけて遠方へ出向かなければなりません。

プロジェクトの充実と拡大に期待
 私は京都府立高校の校長在職時に、高校における特別支援教育の必要性を強く感じ、平成23年度当時に勤務していた中丹地区(福知山市+舞鶴市+綾部市)の府立学校8校の校長会により京都府下で初めて「中丹地区府立学校特別支援教育研究協議会」を立ち上げました。そして翌年には隣接する丹後地区の府立学校7校も趣旨に賛同して加わり「両丹地区府立学校特別支援教育研究協議会」として現在も活動しています。

 この協議会は現在京都府全体の各地区で広まっています。このことは高校においても多くの学校が特別支援教育の必要性を強く感じている証左です。現在京都府の北部では、特別支援教育を必要とする児童生徒について、小学校→中学校→高等学校へと支援シートが引き継がれ校種間の連携もなされています。(ちなみに、その支援シートの取組の先駆けは福知山市教育委員会です。)

 それゆえ、今回のプロジェクトは主として義務教育を対象とされていますが、将来的には高校にもこのプロジェクトを広げてほしいと願っています。

 最後に、このプロジェクトが各校の特別支援教育を必要とする児童生徒にとって有意義なものになることは当然ですが、対応する教員の人材育成につながり、そのことがひいては学校組織全体のレジリエンス向上につながることを強く望んでいます。