第三回目は、福知山市立惇明(じゅんめい)小学校の紹介です。足立 健(あだちたけ し)校長にお話を伺いしました。
第三回 福知山市立惇明小学校
惇明小学校の源流
惇明小学校は、福知山藩の藩校を源流とする、長い歴史を持った学校です。
文化 6 年(1809 年)、藩主・朽木(くつき)氏が藩士の子弟教育のために城郭内に設立した「惇明館(じゅんめいかん) 」がその始まりで、今も学校から福知山城の雄姿を眺めることができます。
明治期の学制改革を経て、1873 年(明治 6 年)に「惇明小学校」として創立され、以来150 年以上にわたり、福知山、そして地域の子どもたちの学びを支えてきました。
惇明小学校の魅力
現在の本館校舎は昭和 12 年(1937 年)に竣工されました。
木造を主体としながら、重要な部材には鉄骨を用いた二階建ての構造を持ち、当時のモダニズム建築の影響を受けたシンプルですが洗練された特徴ある外観となっています。
- 正面入口脇や二階隅に配された大小の丸窓
- 連続窓による開放感
- 自然光が差し込む明るい講堂空間(二階)
学校が文化財!
こうした建築的価値が認められ、平成 11 年(1999 年)には国の「登録有形文化財(建造物)」に指定されました。子供たちが学ぶ現役の校舎であり、大規模改修や耐震補強工事で安全性と保存性を両立させながら、地域の歴史的景観にも大きく貢献しています。
足立校長は「歴史と伝統を伝える建物、卒業生はもとより地域の方々の誇りと学校への愛着のシンボルとなっています。数少ない講堂のある生きた学び舎として、これからも維持・管理に努め、大切に伝えていきたい」と話されていました。
地域とともに育つ子どもたち
惇明小学校では、地域との連携を大切にした体験型学習を積極的に行っています。治水記念館の見学や福知山駅前での花時計植栽体験、 また、地域の老人福祉施設との交流など地域の人々とふれあいながら学ぶ機会が豊富です。こうした活動を通じて、子どもたちは地域への愛着や社会性を自然と身につけています。
表現力と人権を育てる教育
毎朝の「朝読書」 、また「児童集会」では、委員会毎の取組やキャンペーンの発表をとおして、自分の考えを言葉にする力を育成しています。さらに、「自分が好き、家族が好き、ふるさとが好き」と言える子どもを育てる人権教育にも力を入れています。児童一人ひとりの自己肯定感を高め、思いやりの心を育む教育を実践しています。
学力向上への取り組み
学校全体で算数科の授業改善に取り組み、 自主研究発表会を開催。 思考力や表現力を育てる授業づくりを推進し、児童が「わかった!」「できた!」と実感できる授業を目指しています。
伝統・地域・人権・学力の 4 つの柱を大切にしながら、未来を担う子どもたちの豊かな成長を支えています。
惇明小学校は、地域の誇り
惇明小学校は、教育施設であるのはもちろん、地域の歴史と文化を体現する貴重な建築遺産でもあります。 地域とともに歩む惇明小学校で、子どもたちは今日もいきいきと学んでいます。
足立校長ご自身も惇明小学校の卒業生とのこと。「初めて覚え、歌った校歌を、今こうして子どもたちと一緒に歌えるのは、時を越えたつながりというか、 大きなめぐり合わせを感じています」と話されていました。
