プロジェクト・メンバーが、お出かけにおすすめな日本のすてきな場所を紹介します! お天気の良い日にぶらりとお出かけしてみませんか? 今回は、教員職能開発リーダーの角南 なおみ先生に鳥取県の魅力についてご案内いただきます。

日本全国お出かけ日和

8回目 鳥取県 大山隠岐国立公園

 今回は、鳥取県にある大山と皆生温泉をご紹介いたします。鳥取県はよく島根県と間違えられたり、砂漠があると言われることがあります。両県は日本海に面して横並びで地形が似ていますが、鳥取県は兵庫県に隣接した方の県です。砂漠ほど広大ではないのですが、鳥取砂丘があります。鳥取砂丘にもらくだがいるのが紛らわしいところです。

■大山隠岐国立公園

見る角度により姿を変える霊峰

鳥取県の西部に位置する「大山(だいせん)」は海抜1709mの中国地方最高峰で北西側の姿から別名「伯耆富士」と呼ばれています。左側の写真は富士山に似ていますよね。見る角度と季節によっていろいろな姿を見せてくれます。

少し前に鳥取でタクシーに乗ったときに、運転手さんが「この地域の高齢の人の多くは(2000年の発生した鳥取県西部地震で震度6強にもかかわらず死者が0人だったことも含め)自然災害の被害が小さいのも大山が守ってくれているからだと信じているんですよ」と教えてくれました。霊験あらたかで存在感があるこの地域の母なる山です。

大山隠岐国立公園

大山は1936年に日本で3番目の国立公園に指定されました。1963年に隠岐島、島根半島、蒜山地域、三瓶山地域が追加で指定されて現在の「大山隠岐国立公園」となりました。環境省は、日本の国立公園を「世界水準のナショナルパーク」として「国立公園満喫プロジェクト」を推進しています。「大山隠岐国立公園」は、全国に8箇所あるそのプロジェクトの1つに選定されています。

大山近郊の小学校では、高学年になると「大山登山」が年間行事の1つに取り入れられ、山頂まで登って下山することが子どもたちにとっての大きな体験となっています。冬には大山でスキー教室もあり、自然を味わう行事がいくつも取り入れられています。

大山隠岐国立公園

湧き出る名水

大山は、名水地としても有名です。自然のミネラルをたっぷり含んだ美味しい水の秘密は、西日本最大級のブナ林にあります。雪解け水が地中に染み込み、人が踏み込まない栄養価にとんだ土壌で濾過され磨かれていきます。実際大山山麓には、多くの湧き水や名水場が点在しています。近年大手飲料メーカーの工場が進出していて、現在販売されている天然水もこの大山山麓が採取地となっています。

現地の水は真夏でもとても冷たく、広大な自然の中でマイナスイオンと自然音とともに味わうことができます。日常から少し離れた癒やしの異空間です。
皆生温泉

皆生温泉 

「塩の湯」温泉

美保湾海底から湧く皆生温泉の湯は県下一の湧出量を誇ります。海に湧く湯のため、泉質は含土類食塩泉。つまりナトリウムとカルシウム塩化物泉で「塩の湯」です。口に含むと本当に塩の味がします。塩分濃度が濃いということは、保温力が高く身体の芯まで温め、新陳代謝を活発にする働きが期待できます。

その効果は、お湯に入っているときより上がった後に感じられると思います。上がってからしばらくの間汗が出るほどで、体の芯まで温まっていることが実感できます。塩は浄化作用もあるといわれており、他にももっといろいろな効果がありそうです。一度入ったらすっきり感が格別でやみつきになるかもしれません。

自然と溶け合う景勝

皆生温泉の街並みは、日本海、大山などの自然との調和から「都市景観百選」、海沿いから見る大山の朝日は「日本の朝日百選」、弓ヶ浜の海岸線は「日本の渚百選」、目の前の風景は「日本の白砂青松百選」に選定されています。

皆生温泉の前に広がる海は夏場には海水浴場として賑わっていて、温泉と同時に楽しめる数少ない温泉地です。夏場は賑わっていて、海に入ってからそのまま温泉に入ることができる立地になっています。その後で日本海の美味しい海の幸をいただいたら,心も身体も大満足です。

トライアスロン発祥の地

毎年7月に開催されドラマが生まれる「全日本トライアスロン皆生大会」。皆生は、1981年国内初のトライアスロンが開催された発祥の地でもあります。水泳(3km)からスタートして、次に自転車で国立公園・大山山麓道路(145km)を走り、最後はマラソンで米子市内から境港市内を折り返す(42.195km)過酷な競技です。そのため、当日のボランティアは約3000人にのぼり選手たちを影で支えます。この大会は、選手と住民が一緒に進める鳥取の大きなイベントの1つです。大きな交通規制がなくても選手優先意識は地域に浸透していて、健闘する選手に出会うと声援を送りたくなります。

 

今回は、鳥取県の自然を中心にご紹介しました。日本海に面しているため魚介類も新鮮でとても美味しいです。少し足を伸ばして自然の中でゆったり癒やされたいという方にお薦めです。

プロフィールイラスト

(すなみ・なおみ)帝京大学文学部准教授。専門は発達障害における教師の専門性。2024年3月の福知山公立大学で実施したシンポジウムのお話がとてもわかりやすいと大好評でした。なお、魔法使いになっているのは、事務局の中の人が「シンデレラ」を読んだあとにイラストを考えていただけで、ご本人の意向ではありません。(ご本人は魔法使いのおねえさんのようにやさしいです)