プロジェクト・メンバーが、お出かけにおすすめな日本のすてきな場所を紹介します! お天気の良い日にぶらりとお出かけしてみませんか? 今回は、1児のパパでもある、教員職能開発チームの山田 大介先生に小田原の魅力をご案内いただきます。
日本全国お出かけ日和
7回目 神奈川県小田原市
前回は明智光秀が築いた福知山城がある福知山市を紹介しましたが、今回は同じ戦国時代の、特に「戦国時代を終焉にさせた」と言ってもいい小田原城がある小田原市を紹介します。
小田原市は神奈川県の西部の人口20万人ほどの都市で、国際的な観光地である箱根に向かう玄関口としても知られていると思います。最近では、都内方面から移住してくる方も多く、小田原駅周辺には大型マンションも立ち始めています。
箱根への玄関口ということで、素通りされてしまう方も多いのではないかと思いますが、小田原も見どころ多い場所です。
まずは、なんといっても小田原城でしょう。本格的に小田原城の存在を顕著にしたのは、1500年頃、北条早雲が小田原に進出したことから始まります。以後、5代約100年に渡り関東での勢力を拡大していきました。小田原城は関東支配の中心拠点として、長い間その存在は大きなものでした。しかし、1590年、石垣山(一夜城)の築城をはじめとする豊臣秀吉の小田原攻めにより北条氏は滅亡し、戦国時代が終焉を迎えることとなります。江戸時代には大久保氏が城主となり、小田原城は東海道で箱根の関所を控えた関東地方の防御の要として幕末に至りました。現在の小田原城の天守閣は1960年に再建されたものですが、小田原市のシンボルとして今もその姿は見る人に大きく印象付けます。小田原駅から徒歩10分程度という距離で、駅からも小田原城を見ることが出来ます。
先述の一夜城も実は城跡が残っています。小田原駅の隣の早川駅からハイキング気分で登っていくと「石垣山一夜城歴史公園」があります。この高台からの小田原市街や相模湾の景色は特に晴れた日は最高です。たまにテレビのCMなどでも使われていますね。ちなみにハイキングでなくても周遊バスが運行されています(車での訪問が楽ではありますが)。
小田原は歴史だけではありません。おいしい食べ物もたくさんあります。先ほどの一夜城の公園内には一夜城ヨロイヅカファームがあり美味しいスイーツが食べられますが、小田原と言えば、やはり海産物でしょうか。
先ほどの早川駅の近くには小田原漁港があり、海鮮が食べられる店が数多くありますし、「TOTOCO小田原」という施設では海鮮食べ放題もできます。でもやはり小田原といえば「蒲鉾」でしょう。小田原市内にはかまぼこを生産している会社がいくつあるかご存知でしょうか。10社以上の会社がかまぼこを生産しています。箱根駅伝の小田原中継所で有名な鈴廣さんはその一つですが、小田原駅から15分程度歩いたところに「かまぼこ通り」と称される通りがあります。そこには30店舗以上のかまぼこ屋さんが軒を連ねています。いくつかお勧めはありますが、その中でも籠清(かごせい)さんは店構えもかまぼこの味も最高です。
籠清さんは1814年創業で、200年以上の歴史を持つかまぼこ屋さんです。お土産での購入はもちろんですが、食べ歩き可能な揚げかまぼこも購入可能です。さらには小田原には、小田原かまぼこを使った「小田原おでん」を提供している店もあります。ぜひ試してみてください。
実は小田原には温泉もあります。昔は箱根に行かないと温泉は無いといわれていた小田原ですが、小田原駅から東海道線で2駅目の根府川駅にあります「小田原ヒルトンリゾート&スパ」では温泉を楽しむことができます。また最近、小田原駅の隣にオープンした「ミナカ小田原」に併設された天成園でも温泉が楽しめますが、時間がない方は足湯だけでも可能です。このミナカ小田原だけには温泉だけでなくグルメなどいろいろと楽しむことが出来ます。
小田原は東京から新幹線で30分少々とちょっとしたお出かけにはピッタリな場所です。「箱根に行ったついでに…」など言わずに小田原を目的地にぜひいらしてください。
(写真撮影協力 株式会社籠清)
(やまだ・だいすけ)多摩大学グローバルスタディーズ学部教授。University of Leeds(MA in Linguistics, England.)。専門は言語学。教員経験を持ち、日々教員志望の学生をあたたかく指導していることで大人気です。なお、パンダになっているのは、事務局の中の人が単に「パンダってかわいいな~」と思っただけで、ご本人の意向ではありません。(パンダかわいいですよね?)